日焼け 日光にあたると免疫力が落ちると聞きましたが? 下関 小倉 皮ふ科
ネズミの背中にかぶれを起こさせる実験をするとき、予め皮膚に紫外線をあてておくとかぶれが起きないという現象が知られています。これを免疫学的トレランスといいます。 免疫に関連する様々な細胞が紫外線照射でその機能が抑えられます。このような現象を光免疫抑制と総称しています。 かぶれが起きなくて好都合と思い勝ちですが、この光免疫抑制は皮膚ガンの発生にも大きく関わっています。 すなわち紫外線によりガン細胞が皮膚内に発生したとき、そこに紫外線が当たっていると、ガン細胞を異物と見なすことができず、普通なら免疫反応で排除すべきところが、ガン細胞の増殖を許してしまうことになります。すなわち紫外線は皮膚ガンを発生させると共に、皮膚ガンの増殖を許すという、ダブルパンチを皮膚に与えてしまうわけです。 監修 医学博士上出 良一 先生 (東京慈恵会医科大学第三病院皮膚科 部長) #日焼け #紫外線


日焼け 紫外線で起こる皮膚ガンにはどんなものがありますか? 下関 小倉 皮ふ科
皮膚にできるガンには多くの種類があります。皮膚ガンのすべてが紫外線によって起こるわけではありませんが、顔や手の甲など長年にわたり日光を浴び続けた場所に出るガンとして日光角化症、有棘細胞癌、基底細胞ガン、メラノーマがあります。 日光角化症 日光角化症は60-70歳代から多くなります。皮膚の表面がカサカサして、赤みを帯び、触るとざらざらしていて、角質が尖っているため指先にちくっとしたものを感じます。 有棘細胞癌 日光角化症は未だ皮膚の一番表面にある表皮の中に留まっているガンで、表皮内ガンと呼ばれます。この時点で転移することはありませんので、きちんと治療すれば生命には問題ありません。ただし、気づかず放っておくと表面が盛り上がってくると同時に皮膚の奥深くまで侵入し、身体全体にも転移する有棘細胞ガンに進展します。有棘細胞癌は大きなしこりとなり、中央部がえぐれて出血したり、悪臭を放ちます。 基底細胞ガン 基底細胞ガンは皮膚の破壊性が強いものの、身体の他の場所に転移はせず生命には関わらない腫瘍です。特に顔に好発します。基底細胞癌は30-40歳代から見られますが


日焼け 日焼けはどうして起こるのですか? 下関 小倉 皮ふ科
日焼け 日焼けはどうして起こるのですか? 下関 小倉 皮ふ科 日本語の「日焼け」という言葉は紫外線により皮膚が赤くなる「サンバーン」と、その後黒くなる「サンタン」を含めて使われていますが、サンバーンは紫外線による皮膚のヤケド、サンタンはその結果おこるメラニン増加です。 日焼け反応(サンバーン)の主役はUVBです。細胞のDNAに吸収されたUVBは、DNA鎖の隣同士のピリミジン塩基を結合させて、ピリミジン2量体という一種の傷を作ります。 これができるとDNAの複製がうまくできなくなるので、細胞にはこの傷を取り除く仕組みが備わっています。これをヌクレオチド除去修復能といいます。この結果傷の部分が取り除かれ、元通り正しい塩基配列が作られます。 こういう修復反応がきっかけとなったり、直接的に細胞膜の傷害が細胞内に伝わったりすることにより、炎症を起こす様々な遺伝子が発現して、細胞から多数の炎症惹起因子が放出されます。その結果、翌日には皮膚が痛みを伴って赤く腫れ上がり、1週間ほど経つと死んだ皮膚が薄い膜状になって剥がれ落ちます。 色が黒くなるサンタンもこの一連


アトピー性皮膚炎 タクロリムス軟膏を塗っている間、日焼けをしても構いませんか? 下関 小倉 皮ふ科
タクロリムス(プロトピック®)軟膏は以下の部位には塗らないで下さい。 タクロリムス(プロトピック®)軟膏を塗っている間は、日焼けなどにより塗った患部を長時間、日光にさらすことは避けて下さい。また、日焼けランプや紫外線ランプも使用を避けて下さい。 日本皮膚科学会編「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」について 監修 佐伯 秀久先生
(東京慈恵会医科大学皮膚科 准教授) #アトピー性皮膚炎


日焼け サンスクリーン剤の使い方 下関 小倉 皮ふ科
サンスクリーン剤の使い方 サンスクリーン剤をつける第一の目的は強いサンバーンを避けるためです。レジャーで海や山へ行くときには強いものが必要ですが、日常生活で光老化を避けるため位ならさほど強いものは必要ありません。 サンスクリーン剤使用のめやす 気をつけなければいけないのは塗る量です。SPFやPAという値はサンスクリーン剤を1cm2あたり2mgまたは、液体の場合2µlを塗って調べられていますので、塗り方が少なければ当然所期の効果がえられません。実際調べてみるとせいぜい1.3mg/cm2位しか塗っていないのです。必要量の2/3位です。そうすると効果は半分くらいになってしまいます。また水泳や、汗で流れたり、顔を触ることでとれてしまうことも多々あります。そんな訳でSPFの値をそのまま信じてしまうと思わぬ日焼けをしてしまいます。 正しい使い方としては規定量、たとえば顔ですと真珠の玉2個分位を全体にのばします。また3時間に1回くらい塗り替えるほうが確実です。それではSPF値が高いものであれば多少とれても効果がありそうですが、あまりに高い数字のものはどうしても


日焼け サンスクリーン剤の性能表示 下関 小倉 皮ふ科
サンスクリーン剤の性能表示 サンスクリーン剤の性能は以前よりSPFという値が用いられています。これはSun Protection Factorの略で、UVBに対する防御効果を表しています。UVB照射により翌日生じる赤みを指標にして検定します。普通、夏の海岸で20分間日光に当たると、翌日赤みが出ますが、例えばSPF30の製品を規定量つけた場合、20×30=600分=10時間、日光に当たって、始めて翌日赤みが出るということになります。なお、SPFは数字が50以上になると、その性能に余り差がなくなり、実際的な意味を持たなくなるので、最近ではSPF50以上の場合、製品には単にSPF50+と表示するようになりました。 一方、UVAについては紫外線照射直後からメラニンの酸化で起こる即時型黒化という反応を指標として検定する方法が我が国では採用されています。最近の製品ではPA(Protection Grade of UVA)という表示がなされていて、+から+++の3段階があります。PA+:UVA防止効果がある、PA++:UVA防止効果がかなりある、PA+++:U


日焼け 光線防御のポイントは? 下関 小倉 皮ふ科
光線防御のポイントは? 紫外線から皮膚を守るために以下のことに留意しましょう。 1.ライフスタイルの変更 太陽の下、屋外で様々なスポーツなどを楽しむことは、心身のリフレッシュにとても有意義なことですが、小麦色の肌を求めて海岸で身体を焼くというような、不必要な日光浴は避けるべきです。特に、小児期から無用な紫外線暴露を避ける生活態度が望まれます。 2.特殊な場所 赤道近くの国へ旅行する場合も、紫外線防御を忘れず励行しましょう。スキー、特に春スキーは照り返しによる紫外線暴露が大きいので注意が必要です。山では空気の層が薄く、澄んでいるため平地より紫外線が強いことも知っておきましょう。 3.物理的遮断 日傘、広いつばが全周にある帽子、長袖、長ズボンなどにより、皮膚に到達する紫外線をできるだけ減らすことが第一です。そして、皮膚には最後の砦として日焼け止め(サンスクリーン剤)を塗ります。 監修 医学博士上出 良一 先生 (東京慈恵会医科大学第三病院皮膚科 部長) #日焼け #紫外線

