アトピー性皮膚炎の重症度は何を基準に判断されますか? 下関 皮ふ科

アトピー性皮膚炎の症状には、皮膚がカサカサして乾燥しているという状態から、皮膚が硬くゴワゴワになったり、腫れてジクジク汁が出るといった症状まで様々な段階があります。これを「それぞれの皮疹の重症度」とします。「病気としての重症度」ではそれに加えて皮疹の拡がりが考慮されます。
それぞれの皮疹の重症度
重症:高度の腫脹/浮腫/浸潤ないし苔癬化を伴う紅斑、丘疹の多発、高度の鱗屑、痂皮の付着、小水疱、びらん、多数の掻破痕、痒疹結節などを主体とする。
中等症:中等度までの紅斑、鱗屑、少数の丘疹、掻破痕などを主体とする。
軽症:乾燥および軽度の紅斑、鱗屑などを主体とする。
軽微:炎症症状に乏しく乾燥症状主体
さて、アトピー性皮膚炎の治療で重要な位置を占める外用療法の選択では、「病気としての重症度」ではなく、皮膚の状態を元にした「それぞれの皮疹の重症度」が大切になってきます。例えば、範囲が狭くても腫れてジクジクしている状態があれば、重症と判断して強力な外用療法が選ばれます。一方、全身に湿疹があっても、多少赤くなってカサカサしている程度であれば、強い治療は必要ありません。
日本皮膚科学会編「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」について
監修 佐伯 秀久先生 (東京慈恵会医科大学皮膚科 准教授)