アトピー性皮膚炎はどのようにして診断されますか? 下関 皮ふ科

May 8, 2019

すでに日本皮膚科学会で「アトピー性皮膚炎の定義・診断基準」が作成されていますので、それに従って診断されます。

 

アトピー性皮膚炎の定義(概念)

 

「アトピー性皮膚炎は、増悪・寛解を繰返す、そう痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ。」

 

アトピー素因:

 

1)家族歴・既往歴(気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎のうちのいずれ、あるいは複数の疾患)、または 2)IgE抗体を産生し易い素因。

 

【アトピー性皮膚炎の診断基準】

 

そう痒

特徴的皮疹と分布

(1)皮疹は湿疹病変

・急性病変:紅斑、浸潤性紅斑、丘疹、漿液性丘疹、鱗屑、痂皮

・慢性病変:浸潤性紅斑・苔癬化病変、痒疹、鱗屑、痂皮

(2)分布

・左右対側性 好発部位:前額、眼囲、口囲・口唇、耳介周囲、頸部、四肢関節部、体幹

・参考となる年齢による特徴

乳児期:頭、顔にはじまりしばしば体幹、四肢に下降。

幼小児期:頸部、四肢屈曲部の病変。

思春期・成人期:上半身(顔、頸、胸、背)に皮疹が強い傾向。

慢性・反復性経過(しばしば新旧の皮疹が混在する):乳児では2ヵ月以上、その他では6ヵ月以上を慢性とする。 上記1、2、および3の項目を満たすものを、症状の軽重を問わずアトピー性皮膚炎と診断する。そのほかは急性あるいは慢性の湿疹とし、年齢や経過を参考にして診断する。

【除外すべき診断】(合併することもある)

 

接触皮膚炎

脂漏性皮膚炎

単純性痒疹

疥癬

汗疹

魚鱗癬

皮脂欠乏性湿疹

手湿疹(アトピー性皮膚炎以外の手湿疹を除外するため)

皮膚リンパ腫

乾癬

免疫不全による疾患

膠原病(SLE、皮膚筋炎)

ネザートン症候群

【診断の参考項目】

 

家族歴(気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎。アトピー性皮膚炎)

合併症(気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎)

毛孔一致性丘疹による鳥肌様皮膚

血清IgE値の上昇

【臨床型(幼小児期以降)】

 

四肢屈側型

四肢伸側型

小児乾燥型

頭・頸・上胸・背型、痒疹型

全身型

これらが混在する症例も多い

【重要な合併症】

 

眼症状(白内障、網膜剥離など):とくに顔面の重症例

カポジー水痘様発疹症

伝染性軟属腫

伝染性膿痂疹

 

日本皮膚科学会編「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」について

 

監修 佐伯 秀久先生
(東京慈恵会医科大学皮膚科 准教授)

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