治療法の選択の根拠を教えて下さい。 下関 門司 皮ふ科

欧州の研究者の報告を示します。
過去の報告を検討して評価した下記のエビデンスのレベルと推奨度により現時点での標準的な治療が勧告されています。
エビデンスのレベルと推奨度の決定基準(皮膚悪性腫瘍グループ)
A.エビデンスのレベル分類 I システマティック・レビュー/メタアナリシス II 1つ以上のランダム化比較試験による III 非ランダム化比較試験による IV 分析疫学的研究(コホート研究や症例対照研究による) V 記述研究(症例報告や症例集積研究による) VI 専門委員会や専門家個人の意見+
B.推奨度の分類#
A 行うよう強く勧められる(少なくとも1つの有効性を示すレベルIもしくは良質のレベルIIのエビデンスがあること)
B 行うよう勧められる(少なくとも1つ以上の有効性を示す質の劣るレベルIIか良質のレベルIIIあるいは非常に良質のIVのエビデンスがあること)
C1 行うことを考慮してもよいが、十分な根拠*がない(質の劣るIII-IV、良質な複数のV、あるいは委員会が認めるVI)
C2 根拠*がないので勧められない(有効のエビデンスがない、あるいは無効であるエビデンスがある)
D 行わないよう勧められる(無効あるいは有害であることを示す良質のエビデンスがある)
+基礎実験によるデータ及びそれから導かれる理論はこのレベルとする。 *根拠とは臨床試験や疫学研究による知見を指す。 #本文中の推奨度が必ずしも上表に一致しないものがある。国際的にも皮膚悪性腫瘍診療に関するエビデンスが不足している状況、また海外のエビデンスがそのまま我が国に適用できない実情を考慮し、さらに実用性を勘案し、(エビデンス・レベルを示した上で)委員会のコンセンサスに基づき推奨度のグレードを決定した箇所があるからである
【尋常性白斑】 片山 一朗 先生
(大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学皮膚科学講座 教授)
【尋常性白斑】 大磯 直毅 先生 (近畿大学医学部皮膚科 准教授)
【先天性白皮症】 鈴木 民夫 先生 (山形大学医学部皮膚科学講座 教授)