1.悪性黒色腫とは 下関 門司 皮ふ科

June 14, 2015

 

1.悪性黒色腫とは

 

 

 

 

 

1)悪性黒色腫の発生

 

皮膚に発生する皮膚がん(皮膚悪性腫瘍)はいろいろな種類がありますが、悪性黒色腫はその中のひとつで、最も悪性度が高いと恐れられています。皮膚の色と関係するメラニン色素を産生する皮膚の細胞をメラノサイトと呼び、悪性黒色腫はこのメラノサイト、あるいは母斑細胞(ほくろの細胞)が悪性化した腫瘍と考えられ、単に黒色腫またはメラノーマと呼ばれることもあります。

 

2)悪性黒色腫の統計

 

悪性黒色腫は悪性度が非常に高いがんです。年齢別にみた悪性黒色腫の死亡率は、男性で60歳代、女性では70歳代から増加します。死亡率の男女差は大きくありません。悪性黒色腫の罹患率の国際比較では、オーストラリアのクイーンズランドが最も高く、南欧より北欧が高く、日本は低い傾向にあります。また人種差が大きく、白人では罹患率が極めて高い傾向があります。
発生部位は足底(足のうら)が最も多く、体幹、顔面、爪が続きます。どこの皮膚にも発生しますが、ふだんあまり気にしない足底に最も多いことは注意すべき点です。その他、悪性黒色腫は皮膚だけでなく、頻度はあまり多くありませんが粘膜にも発生することがあります。

 

3)悪性黒色腫の原因と予防

 

悪性黒色腫の発生原因は不明ですが、白色人種の発生率が有色人種よりも数倍高く、紫外線の強い地域に住む白色人種の発生率がさらに高いという報告もあり、紫外線が関係している可能性があります。また、白色人種では家族内で発生したり、数ヶ所の皮膚に多発する家系が報告されており、遺伝的に悪性黒色腫が発生しやすい家系があると考えられていますが、わが国では今のところそのような家系は明らかではありません。わが国では、足底や爪部などふだん慢性的に刺激を受けやすい部位、あるいは衣類などですれる部位や外傷を受けた部位などに発生が多くみられることより、外的刺激も危険因子のひとつと考えられています。

私たちは白色人種に比べて紫外線に抵抗力がありますが、過度な日焼けは避けたほうが無難であると思われます。また、ほくろと思われるしみに対して、自分で針を刺したり、焼いたりしてとろうとすることは絶対によくありません。ほくろを刺激しないように心がけるべきです。さらに、成人後出現したほくろが次第に大きくなったり、色が濃くなったりしてきた場合は、早めにお近くの皮膚科を受診して下さい。

 

4)悪性黒色腫の早期発見

 

ほくろの細胞(母斑細胞)またはメラノサイトが悪性化し、悪性黒色腫になる一歩手前の状態が存在し、悪性黒色腫前駆症と呼ばれています。この前駆症の状態ないしは早期の悪性黒色腫の状態で発見することが最も重要です。 

悪性黒色腫の治療は早期に発見し、早期に手術によって大きく完全に切除することが第一です。皮膚は身体の表面にありますので、注意すれば自分もしくは家族により悪性黒色腫を早期に発見することが可能です。しかしながら、早期の場合には、普通のほくろと悪性黒色腫を区別することは非常に難しく、少しでもおかしいと思われるほくろがあった場合は自己判断せずに、まず皮膚科専門医を受診することが、早期発見、早期治療につながります。特に生まれつきではなく、途中からできたほくろで急速に大きくなり、直径5mm以上になったものは要注意です。悪性黒色腫を放置すると、早期に所属リンパ節(最初に発生した部位から一番近いリンパ節)に転移することが多く、さらには肺、肝臓、脳など重要な臓器に転移してしまいます。悪性黒色腫は全身どこの臓器にも転移します。進行した悪性黒色腫に対しては、外科療法の他、抗がん剤による化学療法、リンパ球などを使った免疫療法、および放射線療法などいろいろな手段を組み合わせた治療(集学的治療)が行われます。

 

監修

国立研究開発法人 国立がん研究センター

 

 

 

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