赤色期~白色期の治療はどうすれば良いですか?下関 皮膚科
赤色期~白色期の治療はどうすれば良いですか?下関 皮膚科
赤色期~白色期では、創部の湿潤環境保持(乾燥させない)と保護を行い、「肉芽組織」ができるように、また周囲皮膚から皮膚ができて傷が塞がる「上皮化」を促す環境を整えることが目標です。「肉芽組織」が出来る時には、いろいろな「サイトカイン」と呼ばれる、肉芽組織を作る細胞を刺激する生体由来の蛋白、が細胞から分泌されます。サイトカインの多くは水溶性ですので、これらが効率よく細胞に働くには湿潤環境(乾燥していない、水分があって濡れた状態です)が望ましいのです。ドライヤーなどで褥瘡を乾燥させるなどの行為は良くありません。ただし、褥瘡周囲の皮膚は適度な乾燥状態を保ち、角層のバリアー機能が低下しないようにします。
肉芽組織が創面のほぼ全体を覆うようになると細菌感染の危険性は少なくなりますから、赤色期では肉芽形成促進作用を持つ外用剤を使用します。周囲皮膚との段差が小さくなり、上皮化が始まる時期には、上記の外用剤のほかに各種創傷被覆材も使います。全ての病期に使える万能薬はありません。私たち専門家は褥瘡の病期を判断し、目の前の褥瘡に適切した外用剤・創傷被覆材を選択使用しています。
監修
尹 浩信 先生 (熊本大学大学院生命科学研究部皮膚病態治療再建学分野 教授)

ももさき皮ふ科 院長
監修 桃崎 直也