天疱瘡はどのように診断しますか。 下関 皮膚科

November 2, 2015

皮膚、粘膜に生じるびらん、水疱の臨床症状以外に、必ず必要な検査が、皮膚、あるいは粘膜の生検による組織検査です。生検は、局所麻酔をして、皮膚、粘膜の一部をメスで切り取ります。病理学的に水疱がどのようにできているか、確認する必要があります。天疱瘡の場合、表皮、あるいは、粘膜上皮の中で、細胞と細胞の接着が保てないために表皮内(上皮内)水疱を確認する必要があります(図6、7)。さらに、表皮細胞の表面にIgG自己抗体が沈着していることを確認する必要があります(直接蛍光抗体法、図8)。天疱瘡の確定診断には、この組織検査が必須です。
 血液検査にて、血清中の自己抗体を検出することができます。血清中に抗デスモグレイン1抗体、抗デスモグレイン3抗体をELISA法という方法で検出します(図9)。または、間接蛍光抗体法という方法で天疱瘡抗体を検出することもできます。
 目で見える臨床症状、顕微鏡で見える病理学的な所見、自己抗体の存在を証明する免疫学的な所見の3つが揃い、天疱瘡と診断することができます。
 天疱瘡の診断は、治療を開始する前に正しくつけることが大切です。

図6

尋常性天疱瘡の患者さんにできる水疱部の病理学的所見。表皮の下層に水疱ができている。

 

図7

落葉状天疱瘡の患者さんにできる水疱部の病理学的所見。表皮の上層に水疱ができている。

 

 

 

図8

尋常性天疱瘡患者さんの皮膚をもちいた直接蛍光抗体法所見。表皮細胞の表面にIgG自己抗体が沈着し網目状に見えている。

 

 

図9

デスモグレインに対する血清中のIgG自己抗体を検出するELISA法。組換え技術を用いて作成したデスモグレイン蛋白(組換えDsg1、Dsg3)を96穴のディッシュの底に固相化したものを作成する。血清中に抗Dsg1、Dsg3抗体があると、デスモグレインに結合する。結合した自己抗体を発色剤で標識した抗ヒトIgG抗体で発色させる。抗Dsg1、Dsg3抗体の量が多ければ多いほど、発色の色が濃くなる。右図は、実際の96穴ディッシュで反応させた様子を示す。

 

 

 

 

監修

 

 

天谷 雅行先生(慶應義塾大学医学部皮膚科学教室 教授)

 

 

 

 

ももさき皮ふ科 院長

監修 桃崎 直也 
 

 

 

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