薬剤性過敏症症候群とはどういう病気ですか? 下関 皮膚科 薬疹とは

September 22, 2016

 これは薬疹といっても、薬の他にウイルス感染が関係してくる病気です。他の薬疹と比べとてもユニークな特徴があります。原因となる薬は抗痙攣剤が圧倒的に多く、その他尿酸を下げる薬などがあります(資料4)。薬を飲み始めてから発症するまでに時間がかかるのが特徴で、多くは3週間以上で平均4週間と言われていますが、なかには1年以上たって発症することもあります。発熱と、痒みのある紅い斑で発症することが多く、リンパ腺が腫れ、白血球が増えてきます。発疹は圧迫部では融合する傾向が強く、紅斑は出血が混じるため鮮紅色~紫紅色調となります。発症時には淡い紅斑だったのが(資料5)、

 

原因薬を中止しても数日後には著明な悪化(資料6)を認めます。

 

殆どの場合、原因となった薬を中止しても、良くなるどころか、どんどん悪くなってきます。肝臓や腎臓などの症状の他、神経症状など様々な臓器の症状を呈してくるのが特徴です。原因となった薬以外で発症後に使用した薬(とくに抗生剤や解熱鎮痛剤)に対しても反応を示す場合が多いため、本症では治療として使う薬の選択が非常に難しくなります。本症が最近注目されるようになったのは、本症の殆どの例においてヒト6型ヘルペスウイルス(HHV-6)の再活性化が認められることが明らかになったからです。このウイルスは赤ちゃんがかかる突発性発疹の原因ウイルスで、殆どが乳幼児期に感染してそのまま潜伏します。それが何かのキッカケで再び増殖を始めた状態が本症なのです。つまり薬を投与しているうちに、そのようなウイルスの再活性化状態が起こったと考えられます。しかも6型ヘルペスだけでなく、サイトメガロウイルスやEBウイルスなど様々なヘルペス科のウイルスが、次々と再活性化し、いろいろな臓器に炎症を起こしてくるのです。そのため本症は原因薬を止めた後も、極めて多彩な症状、経過をとるのです。

 

 

 

資料4:

薬剤性過敏症症候群の原因薬カルバマゼピン(テグレトール)フェニトイン(アレビアチン)ゾニサミド(エクセグラン)ラモトリジンバルプロ酸ナトリウム(デパケン)ジアフェニルスルフォン(レクチゾール、プロトゲン)サラゾスルファピリジン(サラゾピリン)メキシレチン(メキシチール)アロプリノール(ザイロリック、アロシトール)ミノサイクリン(ミノマイシン)ジルチアゼム(ベルベッサー)ピロキシカム(バキソ)

 

 

資料5:薬剤性過敏症症候群の症状背部の圧迫部を中心に著明な浮腫性の紅斑を認めます。出血斑が混在しているため紫褐色にみえます。

 

 

 

監修

 

 

医学博士
塩原 哲夫 先生
(杏林大学医学部皮膚科 教授)

 

 

 

 

 

ももさき皮ふ科 院長

桃崎 直也 
 

 

 

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