性感染症 STIの歴史について教えてください。 山口 皮ふ科 下関 皮膚科
性感染症 STIの歴史について教えてください。 山口 皮ふ科 下関 皮膚科
性病は有史以来存在していたといわれておりますが、梅毒がはじめてヨーロッパにもちこまれたのは、1493年、コロンブス(スペイン)の第1回アメリカ探検隊の隊員が西インド諸島の原住民との性交渉により感染したとされています。
その後、隊員が傭兵になったイタリア戦争を期にフランス、イタリアに広がり、ナポリ病またはフランス病と敵国の名を病名としたが、自由を謳歌するルネサンス時代であったため全ヨーロッパに拍車をかけてひろがった。
ヴィーナスなような麗人から感染する病気ともいわれ、むしろ梅毒は誇りのある疾患とされていた。日本には中国(江東)から倭寇によって1512年(永正9年)に京都に入り、瞬く間に日本中にも拡大し、江戸幕府は衛生管理する必要から吉原などの遊郭を作ったがその効果は得られなかった。
性病は皆同一のものと考えられていましたが、1831年淋病と、1837年に下疳が別の病気であることがわかりました。
明治になって梅毒病院が各地に設置され、明治30年(1897年)に「伝染病予防法」制定され、1905年初めて梅毒のスピロヘータをドイツのシァウディンとホフマンによって発見され、1909年にドイツ人のエーリッヒと日本人秦によりヒ素をふくむサルバルサンがみつかり、梅毒の治療に用いられるようになりました。昭和3年花柳予防法が制定され、1943年にフレミングにより抗生物質のペニシリンが発見され、一気に梅毒の患者が減少しました。
監修
医学博士 本田まりこ (東京慈恵会医科大学葛飾医療センター皮膚科 教授)

ももさき皮ふ科 院長
監修 桃崎 直也